島嶼看護

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VIII  31st APNLCに参加して

沖縄県立看護大学大学院 博士前期課程 2年
新領域保健看護 田島 瑞穂

 2009年6月15日(月)から6月19日(金)にサイパンで開催された、第31回APNLCに初めて参加をした。私自身は海外での学会への参加は初めてであり、すべて英語で発表される専門的なプレゼンテーションの理解に大変であった。初日には、飛び入りで日本人では私一人でbylawについてのグループの話し合いに参加する機会があった。私の理解できる処では、トラック諸島の看護師育成のための奨学金の条例についての内容であった。 太平洋の島々のリーダーのカンファレンスということで、人としての存在感や看護師の役割を肌で感じることができた。初日のカンファレンスが終了してから、私たちはゲストということもあり夕食会へご招待を頂いた。私が英語でのコミュニケーションを難しくしてると、日本人ということを考えてか、ブッフェスタイルの夕食会で寿司を運んできてくださったり、日本では食べたことのないサイパンで親しまれているお菓子を勧めてくださったりとコミュニケーションを図ろうとして頂き、言葉だけではなく表現できるものが沢山あることを学ばされた。カンファレンスでも、参加をしている島々の看護師はとても友好的で、隣のテーブルに座ると話しかけてきてくれた。また、その看護師のミドルネームに日本の名字が入っていたり、日本語の単語や歌を知っていたりと、日本人にゆかりが近い方々も多いことが分かった。カンファレンス3日目にサイパン島の観光に出かけた。本当に透明できれいなブルーの海や真っ赤に咲いている桜だけでなく、「おきなわの塔」や「バンザイクリフ」、「スーサイドクリフ」などの戦争の歴史や日本との関わりを感じさせる場所が多くあり印象的であった。実際に訪れると、なにかとても静かで穏やかな空気の中に深い悲しみを感じた。「スーサイドクリフ」では、過去に米軍の兵士であった方々に出会うことができた。彼らは、毎年ここを訪れているとのことであった。4日目のカンファレンスの後には、カルチャーナイトという、ブッフェスタイルの食事とAPNLCの寄付金をチップとして集めながらの島々の歌やダンスの出し物を行うイベントが催された。島々の衣装はとても華やかで、花柄のワンピースの衣装を揃えたり、耳には造花の花を飾っていたり。私たちは、日本的な衣装を持参していなかったが、イメージとしては浴衣などが良かったかと思われた。会場へ行く乗り合いのバスで、マーシャルアイランドの年配の看護師が私たちそれぞれに雰囲気に合った色やデザインの造花を選んでプレゼントして下さり、少し華やかにすることができた。島々の看護師たちはリズムに乗るのがとても上手で、楽しむのがうまく、踊りに誘うのもとても上手であった。文化の違いもあるのだが、勉強だけでなく、楽しむことができる学会が日本にもあるとよいと思う。私がこのカンファレンスに参加したのは、地元の方々だけの学会で地域性のあるものと聞いていたからであったが、十分にその学びは得られたと感じている。高度で先進的な医療ではないのだが、看護師が“癒す”という役割があることを思い出させるようなカンファレンスの体験であった。私の研究に関わる内容として、カンファレンスの内容をTV会議システムを利用してロタ島に発信をしており、実際に遠隔での継続教育を見ることが出来たことも大きな収穫であった。

 

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