島嶼看護

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9.実習所感

グアム・サイパン・テニアンにおける島嶼保健看護に関する研修を終えて

博士後期課程 1年次
知念久美子

 今回、グアム・北マリアナ連邦における保健看護・現任教育の現状の把握、テニアンでの診療所での看護活動や訪問看護の実際の把握、ナースプラクティショナー(NP)の活動を学ぶ目的で、グアム・サイパン・テニアンでの研修に参加した。
 グアムでは、グアム大学が行っている離島看護師に対しての継続教育・グアム大学で学生の講義の一環で行っているコミュニティーアセスメント活動の事を学んだ。また、グアム家族保健・看護サービス局長の講義では、グアムにおける保健看護の現状・ヘルスセンターの機能と位置付け・グアムにおける母子保健対策を学び、実際に北部ヘルスセンターの看護師に同行し、Dededo地区へ訪問を行った。実際に訪問したケースでは、グアム周辺の島嶼地域からの移住してきた家族を訪問し子どもの予防接種受診状況の確認をしていた。実際に訪問することによって、島嶼地域から移住してくる人が多いことや一つの家に17〜20人の家族・親戚の生活している現状を知ることができた。また、グアムの中核病院であるグアム・メモリアル・ホスピタルでは、現任教育・継続教育を目的としたコースがグアム大学にあり、グアム・メモリアル・ホスピタルの看護師はそのコースを受講している事の話が聞け、現任教育・継続教育を大学と連携して行っていることや病院と協力していることが分かった。島嶼地域では、看護職を育成する機関が少ないため大学と連携して看護職の教育を行っていく事も重要であることが分かった。
 サイパンでは、サイパンコモンウェルス・ヘルスセンターの見学でサイパンにおける健康問題・救急を受診する子どもの健康問題の特徴・サイパンにおける看護師の役割・母子保健活動・緊急ヘリ搬送の体制やテニアンやロタなどの離島からの患者の受け入れ体勢を学んだ。実際に訪問看護でテニアン・ロタの離島から患者・家族が宿泊する政府の施設に行く事も出来た。沖縄では、離島の患者や家族を受け入れる施設が整っていないが、サイパンではその受け入れる施設があり離島から出てきても安心して医療を受けられる体制があった。島嶼のある地域では生活している島から離れる患者・家族支援を含めた体制を整える必要性を改めて考えさせられた。
 テニアンでは、テニアン・ヘルス・センターでの施設見学(外来部門・公衆衛生部門・薬剤部門・検査部門・レントゲン部門の見学)をすることで、テニアンでの医療保健事情とそこで働くファミリーナースプラクティショナー(FNP)の診察を見学することができた。FNPであるため、患者だけでなく家族を含めたアセスメントを行っていた。FNPの話によると、はじめは母性のNPを取得していたが、テニアンではFNPの方が求められていると感じFNPを取得したと伺い、島嶼地域では専門性よりも幅広く看る事の出来る視点が求められていることが重要だと感じた。
 今回のグアム・サイパン・テニアンでの研修課題は達成できたのではと思う。さらに学びを深めるために、現任教育や継続教育の経済的サポート・島嶼地域で働いているNPや看護師同士の連携をどのように行っているのか調べていきたいと思っている。

 

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